イラストレーターにしもりちよこ の ど-も-のブログ

「双葉 第3章-その10-」＜あらぬの実＞

9/24のトコトコイラスト「双葉　第3章-その10-」です。

この絵は一部分のトリミングです。全体は
artWorks＞Tokotokoillustration-01（2006.02.01〜）>>>>
のページでご覧いただけます。

　　　　　◇　　◇　　◇

「双葉　第3章-その10-」

　　　ふたばじいと、近衛のじいじに抱かれた少年コトと　ばあば　それに小竜は
　　　神殿の奥へ奥へと　すすみます
　　　
　　　「コココ、コトや　ばあさんは　わしが来ることを知っておったようなのじゃが...
　　　　コトは、わしに逢うことを知っておったのか・・・？」と、ふたばじい
　　　　
　　　「え？　ううん、コトはしらない　
　　　　ばあば？　じいじが来るって知っていたの？」と、コト
　　　　
　　　「わが村の伝承により・・・　しかし、『このとき』との確信はなく・・・」と、ばあば
　　　
　　　「なんなのじゃ？　その『伝承』というのは？」と、ふたばじい
　　　
　　　「いずれ、わかりましょうぞ・・・」と、ばあば
　　　
　　　「なな、な〜んじゃ、もったいぶりおって・・・・ぶつぶつ・・・」と、ふたばじい
　　　
　　　やがて　一行は　明るく照らし出された『あらぬ草の間』に出ました
　　　太陽の光が『あらぬの実』を　ほぼ真上から照らし出したとき
　　　『あらぬの実』は「ぱあん」と音を立てて　はじき飛びました
　　　はじけた無数のちいさなタネのほとんどは　神殿の外へと飛び出していきましたが
　　　コト　と　ばあば　にもいくつかのタネがつきました
　　　しばらくの間　ふくらみながら「実現」を始め、やがて吸収されて消えました
　　　
　　　しばらくして　ばあばが言いました
　　　「ふたばどの、あちらに一つ残った『あらぬの実』の傍らに
　　　　ふたばどのが　たずさえておられる『あらまほしの実』をおいてくだされ」
　　　「こ・・・こうか？」
　　　ふたばじいが『あらまほしの実』を『あらぬの実』のそばにちかづけたとたん・・・・・
　　　ふたつの実はつよいちからで互いに近づき、勢いよく合体しました
　　　
　　　「うわぁぁぁぁぁ、なななな、なんじゃ　なんじゃっっ!!!!!」
　　　
　　　するどい光があたりを照らし　
　　　次の瞬間、ふたばじいの目の前にあらわれたのは・・・・
　　　
　　　
　　　　　◇　　◇　　◇

9月24日のトコトコイラスト「双葉　第3章-その10-」です。

いよいよ『あらぬの実』がはじけました(^^;
この物語の前半に『あらまほしの実』がはじけたときには
枚数の都合ではじけた時の絵が描けなかったので
こんどこそは、とはじけた絵を描きました(^^)

でも、そうすると
ふたつの実が近づいて合体し
とーーーってもおどろいているふたばじいの絵・・・の方は
描けなくなってしまいまして、ちょっと残念なわたしです。

さて、ふたばじいの目の前に
何かが現れた、というところで
次回をお待ち下さいませ　(^^;

お話しは、まだまだゆっくり続きます。
また、是非いらしてくださいね(^^)
●

※なお、「双葉」のお話を最初からご覧下さる場合や、
　前のお話をもう一度読み返して下さる時は、
　これまでのお話をはじめからまとめてご覧いただけます。
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　　　　　・　　・　　・

「双葉 第3章-その9-」＜手負いのコト＞

9/18のトコトコイラスト「双葉　第3章-その9-」です。

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　　　　　◇　　◇　　◇

「双葉　第3章-その9-」

　　　
　　　『さだめの旅』を終えて、コトが戻ったと巫女に教えられ
　　　ふたばじいは　あわてて神殿にもどります
　　　神殿前には、手負いのコトと　泣いている小竜・・・
　　　
　　　「いいい、いったいなにがあったのじゃ」
　　　ふたばじいの問いかけに　近衛のじいじがこたえます
　　　
　　　「ご承知の通り『あらぬの実』をねらって賊が侵入しておりました
　　　　この村の入り口の少し手前で　賊をとらえましたのじゃ
　　　　わしら近衛隊と合流されたコト皇子と、いつも村を守ってくれている竜たちが共に戦い、
　　　　いくさはすぐに我が隊の勝利・・・しかし・・・・・、
　　　　隠れていた残党の矢が　小竜をねらい　それに気付かれたコト皇子が　
　　　　小竜を守られ　皇子ご自身が毒矢に・・・
　　　
　　　　『さだめの旅』はどうしてもお一人で村まで戻らなければならぬ、、、とおおせになるので
　　　　お手を取らない約束の上、わしがお供をして参ったのです・・・
　　　　そしてここへ到着されたとたんに　たおれられ　ご覧の通り　急しつらえで治療中です」
　　　
　　　「じいじ・・・・　神殿の一番奥に『あらぬ草』があるの・・・　すぐに行こう・・・・」
　　　
　　　「いいい、いや、なななな、なにをいうておる・・・なにもそんなに急がんでも・・」
　　　
　　　コトの心の声：《ううん・・・時間がないの
　　　　毎年、9の月の新月の日に『あらぬの実』がはじけるの・・・
　　　　今日がその日　もう一刻の猶予もないの・・・》
　　　
　　　「お供の許されなかった『さだめの旅』は、もう無事に終えられたのじゃ。
　　　　ここからはご一緒しますぞ、お一人では行かせませんですからな」
　　　と、近衛のじいじが共を申し出ます
　　　
　　　「これも　また　さだめかの・・・」
　　　目を閉じて　ばあばが　しずかにつぶやきました・・・
　　　
　　　　　◇　　◇　　◇

9月18日のトコトコイラスト「双葉　第3章-その9-」です。

最初にアップした日には「ここは大事な場面だと思うと
　文章を簡略にできなかったのですよね〜〜」と書いていましたが
落ち着いて読み直しながら大幅にカットいたしました(^^;

イラストの方も、普通サイズの絵と、アップにしたものと2枚載せました。
なんせ、ずーーっとマスクをかぶっていたコトが
はじめて素顔を見せてくれた記念すべきシーンですからねっ(^^)

お話しは、まだまだゆっくり続きます。
また、是非いらしてくださいね(^^)
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「双葉 第3章-その8-」＜もの思うふたばじい＞

9/10のトコトコイラスト「双葉　第3章-その8-」です。

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　　　　　◇　　◇　　◇

「双葉　第3章-その8-」

　　　虫が鳴く、空気の冷たい夜半になっても
　　　一人　腰を下ろして、ふたばじいはかんがえます
　　　
　　　《この村の人々は　皆が皆「心の声」で会話をするちからを持っておるようじゃ
　　　　そして、この村の人々は　未来のことを決して口にせん・・・・
　　　
　　　　この村の人々は　ちゃんと声に出し、言葉で会話をしとる
　　　　よほどの時しか「心の声で会話」をせんようじゃ
　　　
　　　　この村の人々は『あらぬの実』を守る鎮守の民（ちんじゅのたみ）
　　　　何世代にも渡ってこれらの実のことを密かに言い伝え
　　　　守ってきたという民じゃそうじゃ
　　　　『あらまほしの実』のことも『あらぬの実』のこともよく知っておる
　　　
　　　　それなのに　どうして　
　　　　これから　わしが持つことになるという　
　　　　なにやらすごい力を　自分たちのために使おうとせんかったのじゃ？
　　　
　　　　わしにそれを教えたのは、少年・・・コト
　　　　もし、わしではなくて、コトが『あらまほしの実』をとっておれば
　　　　コトがそのなにやらすごい力を持てた　ということじゃないのか？
　　　
　　　　そんなもの持つとろくなことがないのじゃろうか？
　　　
　　　　なぜじゃ？　なぜじゃ？　なぜじゃ？
　　　　う〜〜・・・わからんっわからんっ・・・・・》
　　　
　　　ふたぱじいは
　　　ひとり、もんもんと問い続けました
　　　
　　　　　◇　　◇　　◇

9月10日のトコトコイラスト「双葉　第3章-その8-」です。

ものおもう、ふたばじいです(*^_^*)

ふたばじいはもんもんとしていますが
コトの村《さかさ願いの村》は
空気のきれいなとても気持ちの良いところです。
虫の声がいっぱいいっぱい聞こえています。
そう、ちょうどいまの日本のように・・・。

お話しは、まだまだゆっくり続きます。
また、是非いらしてくださいね(^^)
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　　　　　・　　・　　・

「双葉 第3章-その7-」＜伝承＞

9/4のトコトコイラスト「双葉　第3章-その7-」です。

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　　　　　◇　　◇　　◇

「双葉　第3章-その7-」

　　　青ひげは、村の中心にある神殿の前にふたばじいをおろして
　　　飛び去ってしまいました
　　　
　　　「おお、おおい、おおい、青ひげ〜〜
　　　　コトがくるまで一緒にいてくれや〜〜」
　　　知らない土地でひとり・・・　こころぼそい　ふだばじい　
　　　
　　　神殿から出てきた　人々は
　　　「『さかさ願いの村』へようこそ」と、ふたばじいを丁重に迎えます
　　　
　　　「わたしはコトの祖母です　あなたが、わが孫　コトに導かれ
　　　　わが村へおみえになること　わが村の伝承どおり・・・
　　　　お待ち申し上げておりました」と、コトのばあばが言いました
　　　
　　　ふたばじいは　驚いてききました
　　　「わわわ、　わしのことを知っておるのか？
　　　　それでは聞くぞ　わしはこれから何をすればよいのじゃ？」
　　　
　　　「ここで未来のことを言葉にすると　『あらぬの実』に届きます
　　　　届けば未来は、言葉にしたものと　さかさまになってしまいます・・・
　　　　それゆえ　心の声で語りますので　お心でお聞き下され」
　　　
　　　ばあばの心の声：
　　　《わが村の言い伝えでは・・
　　　　　　『あらまほしの実』と共に　樹精北方より来たり
　　　　　　『あらぬの実』を納めし精は『神魔』となる
　　　　つまり・・・
　　　　　　『あらまほしの実』をたずさえて　北方から来たる樹木の精は
　　　　　　『あらぬの実』の元へ行き　『あらぬの実』も手に入れることもできる
　　　　　　二つの実を手中に収めれば　神にも悪魔にもなれる》
　　　
　　　ふたばじい：「な・・・ななな・・・なんじゃ？」
　　　ふたばじいはおどろいて　絶句してしまいました
　　　
　　　　　◇　　◇　　◇

9月4日のトコトコイラスト「双葉　第3章-その7-」です。

ふたばじい、長い旅を終えて
やっとコトの村に到着しました(*^_^*)

ところが、ばあばに会ったら、いきなり　オドロキ発言。
さすがのふたばじいもビックリです。

このふたばじいに　そんな超人的な力を
あずけない方が良いんじゃないか....と思うんですけれども・・・(^^;

ふたばじいは神になるのか悪魔になるのか
どんな試練が待っているのでしょうか・・・？

お話しは、まだまだゆっくり続きます。
また、是非いらしてくださいね(^^)
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「双葉 第3章-その6-」＜青ひげ＞

8/27のトコトコイラスト「双葉　第3章-その6-」です。

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　　　　　◇　　◇　　◇

「双葉　第3章-その6-」

　　　ふたばじいの悲鳴を聞いて　かけつけたコトと小竜
　　　
　　　「どうしたの？？　じいじ！！　だいじょうぶ？？」
　　　
　　　コトと小竜、そしておおきな竜は　ほぼ同時にさけびました
　　　
　　　「青ひげ！！」（コトの声）
　　　「マ〜スター！」（大きな竜の声）
　　　「ケーーーーン」（小竜の声）
　　　
　　　コトから「青ひげ」と呼ばれた、　その大きな竜は、うれしそうに話しかけました

　　　「マ〜スター、い〜つお帰りになったんですかぁ〜
　　　　小竜も〜げんきそうだなぁ
　　　　マ〜スターを無事にお守りしたのか〜、よくやったなぁ〜」
　　　
　　　みんなが顔見知りだとわかると、ふたばじいはすっかりむくれて言いました

　　　「なななな、なんじゃ、なんじゃ　こやつ、コトの知り合いか
　　　　おおおお、おい、コト、言ってやれ！！　こここ、こやつに言ってやれ！！
　　　　おまえの　たいせつな　客人の　わしを　食おうと　するとは　けしからん！！
　　　　！！！！！！と、言ってやれ！！」
　　　
　　　「うん　あのね、青ひげ。
　　　　じいじはね　コトのたいせつなお客様なの　『あらまほしの実』を持ってきたの」
　　　
　　　「うぉぉぉぉぉぉ　マ〜スター、わっし　今あやうく食〜うところでした
　　　　おじいさ〜ん、すまなかったなぁ〜」
　　　
　　　「ふふふん、だから　いったじゃろうて　けしからんっ　まったく　けしからんっ」
　　　　
　　　「う〜ん、ほんとうにそうだなあ〜、　おじいさ〜ん、すまなかったなぁ〜、
　　　　マ〜スター、お送りしますよ〜　わっしの背に乗ってくださいよ〜」
　　　
　　　「ありがとう、青ひげ　でも、こたびの　この旅に力添えは　かなわない・・・
　　　　コトは自力で旅を終えなければいけないの・・・
　　　　そうだ、青ひげ　　じいじを　村まで送ってくれる？」
　　　
　　　「いいですよぉ〜　おじいさ〜ん　どうぞぉ〜乗ってくださ〜い」
　　　
　　　「うほっ　うほほっ　こここ、こりゃあ楽じゃ　らくじゃのお」
　　　
　　　「じいじ、村で待っていてね・・・ばあばに　会ったら　そのおみやげを　渡してね
　　　　それと、村では　決して　未来のことや　願い事を　口にしないでね」
　　　
　　　「おおお、おうっ　まっとるぞ！！」
　　　
　　　風のように速い　竜の背中で
　　　たいそう　ごきげんの　ふたばじいでした
　　　
　　　　　◇　　◇　　◇

8月27日のトコトコイラスト「双葉　第3章-その6-」です。

おおかたの予想を裏切らずに
大きな竜は、コトの知り合いでした、はい。

名前もありました。
青ひげです。
ひげが青い.......と言うより
全身が青いですね.........。
ひげが立派な青い竜と言うことでしょう、はい、たぶん・・・。

いよいよ、じいじ空を飛ぶ・・・・です。
青ひげの飛翔は、かなり速いようですので
じいじにはくれぐれも
しっかりつかまっていてほしいです・・・(^^;

お話しは、まだまだゆっくり続きます。
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「双葉 第3章-その5-」＜竜＞

8/20のトコトコイラスト「双葉　第3章-その5-」です。

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　　　　　◇　　◇　　◇

「双葉　第3章-その5-」

　　　この山を越えればコトの村・・・・
　　　
　　　「もももも、もうだめじゃ、わしゃぁもうだめじゃ
　　　　動けん、もう、動けん！」
　　　
　　　ふたばじいは山の頂きで疲れ果て　へたり込んでしまいました
　　　
　　　「じいじ　こんなに見晴らしの良いところは　休むのには危険なの
　　　　賊に見つからないように　もうすこし先までがんばって・・・」
　　　
　　　コトがけんめいに説得しますが、ふたばじいは応じません
　　　
　　　「いやじゃ　いやじゃ　どうにも動けん　賊がいないかどうか、おまえか小竜が見てこい
　　　　わしはまったく一歩もあるけんのじゃ」
　　　
　　　ふたばじいは　がんとして　うごきません
　　　ふたばじいの様子を気にしながらも
　　　コトは小竜とあたりの様子を見に行きました
　　　
　　　ふたばじいが　横になったとたん　ものすごい突風が吹きました
　　　見ると巨大な竜が　大きなくちをあけて
　　　今にも　ふたばじいを　くわえようと近づいてきます
　　　
　　　「わわわわわ、まままま、まてまてまて！！！」
　　　
　　　ふたばじいは　大あわてで　竜からのがれる理由を探します
　　　
　　　「わわわわ、わしを食うより・・・　えとえと・・・
　　　　そうじゃ、これ！　こっち！！　ここここ、この実はどうじゃ」
　　　　
　　　「あーーーー？　な〜んだぁ〜それはぁ　『あらぬの実』・・・か？」
　　　
　　　ふたばじいが差し出した『あらまほしの実』を見て　巨大な竜は驚いて聞きました
　　　
　　　「お？　おおお、おまえ　『あらぬの実』を知っておるのか！！
　　　　こここ、これはじゃな、　『あらまほしの実』という　すごい実じゃ」
　　　
　　　「嘘を言うなぁ〜　『あらまほしの実』を　き〜さまのような　じじい〜が
　　　　持っているはずがな〜い　や〜はり　おまえは　あやし〜い〜　
　　　　あやし〜いや〜つは　わ〜しが食う〜〜」
　　　　
　　　「うわぁぁぁぁぁぁ、ここここ、コトや〜〜
　　　　たたたた、たすけてくれ〜〜!!!!」
　　　
　　　
　　　　　◇　　◇　　◇

8月20日のトコトコイラスト「双葉　第3章-その5-」です。

巨大竜の登場です。

ふたばじい、
目の前の危機から自分を守るためなら
『あらまほしの実』だって差し出しちゃう
・・・・・
ふたばじいの辞書には「懲りる」という文字は
ないのかもしれません・・・・。

お話しは、まだまだゆっくり続きます。
また、是非いらしてくださいね
(^^)
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「双葉 第3章-その4-」＜木の上で眠る＞

8/12のトコトコイラスト「双葉　第3章-その4-」です。

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　　　　　◇　　◇　　◇

「双葉　第3章-その4-」

　　　少年コトと、ふたばじいに少し遅れて
　　　小竜も合流しました
　　　
　　　「ささ、さっきの、あの暗号はなんじゃ」
　　　
　　　「暗号？
　　　　ああ、あれは暗号じゃなくて短歌なの
　　　　31の音で成る　うた」
　　　
　　　「いいい、いみしんじゃ・・・
　　　　あれで何の会話をしておった」
　　　　
　　　「あのね
　　　　コトの村に賊がいるから
　　　　気をつけるようにって」
　　　
　　　「ほほ、ホトトギスだの　巣だの　へびだの、
　　　　あれでそんな会話をしておったのか
　　　　わしにもおしえろ」
　　　
　　　「うん
　　　　じいじがそれをのぞむなら...」
　　　
　　　コトの村に近い森の中・・・
　　　どこにいるかわからない賊に襲われないように
　　　今宵は高い木の上でねむります
　　　
　　　少年コト　と　ふたばじい　と　小竜...
　　　あと　ひとやま越えれば
　　　いよいよコトの村です
　　　
　　　　　◇　　◇　　◇

8月13日のトコトコイラスト「双葉　第3章-その4-」です。

ふたばじいが教えて欲しいだなんて、、、、
不思議な言葉の羅列が、よほど魅力的に思えたようです。

さて、もうコトの村の目前です
実はコトの村ではおしゃべりが厳禁なのです

おしゃべり好きのじいじは
大丈夫かな・・・・

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「双葉 第3章-その3-」＜心の声＞

8/6のトコトコイラスト「双葉　第3章-その3-」です。

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　　　　　◇　　◇　　◇

「双葉　第3章-その3-」

　　　兵隊相手にふたばじいを解放するよう
　　　交渉するコト
　　　
　　　そこへ
　　　立派な老人がやってきました
　　　
　　　老人：「おまえたち、どうした？
　　　　なんだ、子供の若僧と老人の妖精ではないか、
　　　　われわれが追っている賊ではないぞ。はなしてやりなさい」
　　　
　　　兵隊：「はは!!!」
　　　
　　　老人：「旅のお方、気をつけて参られい・・・あっ？」
　　　
　　　コトの心の声：《じいじ!!!!!、しっ!!》
　　　コトが思わず心の中で叫んだ声・・・
　　　ふたばじいにだけ 聞こえました
　　　
　　　ふたばじい：「なんじゃ？　わしは何もいっとらんぞ？？」
　　　コトの心の声：《うん、じいじに言ったのじゃないの・・・》
　　　
　　　そして次にふたばじいには
　　　こんな老人の心の声が聞こえました
　　　
　　　老人の心の声：
　　　　《コ・・・・コト皇子!!!　
　　　　コト皇子ではありませんか!!!
　　　　おお・・・・!!　よくご無事にお戻りで!!　
　　　　『あらまほしの実』の粉・・・
　　　　ご無事に採取されたのですな!!　
　　　　ああ、よかった、よかった!!!・・・・》
　　　
　　　そしてその老人はふしぎな言葉を発しました
　　　
　　　老人：「運命（うんめい）を　　服（ふく）せし美僧（びそう）の　　帰巣前（きそうまえ）
　　　　祝（ほ）くも　憂（うれ）うは　　ほととぎす」
　　　
　　　ふたばじいにはちんぷんかんぷんです・・・
　　　しかし、それを聞いたコトは
　　　持っていた1本の枝を老人に差し出しながら
　　　しずかにこう言いました
　　　
　　　コト：「恩光（おんこう）の　　巣箱（すばこ）に　へびと　　ききとめる
　　　　逸り気（はやりぎ）抑（おさ）え　　この枝（え）に託（たく）す」
　　　
　　　そして一礼するとふたばじいをつれて立ち去りました・・・・
　　　
　　　老人は・・・
　　　コトの姿が見えなくなるまで見送ってから
　　　ぽかんとしていた兵隊2人をつつきながら
　　　ほくほくとうれしそうに
　　　隊に戻っていきました・・・
　　　
　　　　　◇　　◇　　◇

8月6日のトコトコイラスト「双葉　第3章-その3-」です。

コトを知る人物がようやく登場の今回のお話しです。

この老人、
次回の予告みたいになってしまいますがご説明してしまいますと、
コトの教育がかりをしてくれていた
近衛のじいじ、という老人なんです。
コトが幼少の頃から、文武両道をたたき込んでくれた恩師です。

さて、この老人の発した言葉を訳しますと・・・
　　　「さだめをしたがわせて、うつくしい僧が、巣（故郷）に戻られるところだ
　　　　良い結果を期待して祝いの言葉を唱えるも、わたしが心配なのは
　　　　留守の巣（故郷）にホトトギス※のように入り込んだ賊がいるといううわさです」

※　ホトトギスやカッコウは自分とは異なる種の鳥の巣に卵を産みつけ、
　巣の持ち主に自分のヒナを 育てさせる

これを普通に近衛のじいじにしゃべってもらうと
　　　「僧に扮したコト皇子・・・。
　　　　『あらまほしの実』の殻の粉を入手するという
　　　　代々皇子に課せられた大変難儀な運命の試練・・・
　　　　無事に終えられてのご帰還なのですね。
　　　　じいはとても誇らしく、うれしく思います。
　　　　しかし、コト皇子、お留守中に村にあやしい賊が入ってしまったようです。
　　　　どうかくれぐれもお気をつけ下さい。」

と言っているのです。
コトはそれを理解し返歌を送ります。それを訳すと

　　　「恩光※を受けるあの巣（故郷）にへび（賊）がいると教えくれているのですね・・・
　　　　しっかり聞き、心にとめました
　　　　早く行って村を守りたい....と気持ちは焦りますが、
　　　　その気持ちを抑えてこの枝《この枝=近衛》に託します」
　　　
※　恩光とは、ありがたい光、春の光、君主の恵の例え

となります。
これを、コトに普通に話してもらいますと、こう言っているのです。
　　　「近衛のじいじ、コトの村に賊がいるの？
　　　　ああ、はやく行って村人を守りたい・・・
　　　　だけどコトは『あらまほしの実』を届けなければ・・・
　　　　そしてじいじと『あらぬの実』のところに行かなくては・・・
　　　　だから、近衛隊長であるじいじ、
　　　　村のこと....よろしく....！」

コトの身分を兵隊たちに知られないように
短歌と枝に秘めて会話をしたのでありました。
ああ、、、内緒話ってなんてめんどくちゃいのでしょう〜〜(^-^;

というわけでお話しは、まだまだゆっくり続きます。
また、是非いらしてくださいね(^^)
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「双葉 第3章-その2-」＜近衛兵＞

7/28のトコトコイラスト「双葉　第3章-その2-」です。

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　　　　　◇　　◇　　◇

「双葉　第13章-その2-」

　　　
　　　コトの村へ向かう途中の
　　　少年コト　と　ふたばじい　と　小竜
　　　
　　　コトは、ばあばへのみやげに木の芽を採るため
　　　大きな大きな木の上に登っています
　　　
　　　小竜はコトの手伝いです
　　　
　　　ふたばじいは　ひとり　
　　　木の根本で　
　　　うとうと　うとうと・・・・
　　　
　　　あたりには、チョウや鳥など
　　　生き物たちがいそがしそうに行ったり来たりしています
　　　
　　　「おい、起きろ、おい」
　　　
　　　ふたばじいは　つつかれて目を覚ましました
　　　
　　　「なむ........ななな、なーんじゃ、おまえは」
　　　
　　　「おまえ、なにやつ、あやしいやつだ、逮捕する」
　　　
　　　「ななな、なーにがたいほするじゃ
　　　　お、おまえが何様であっても、わしの　ねむりをさまたげる権利はないわ、ふん」
　　　　
　　　「じじい一人か？　武器は？　仲間はどこだ？」
　　　
　　　「かかかか、なかまがいるかどうか　かってにさがせばよいじゃろ　
　　　　おまえたちこそなんじゃ。まったく、ぶれいものが」
　　　　
　　　「われわれは『泰泉の国』（たいせんのくに）の近衛兵である」
　　　
　　　「こここ、『このえへえ』？　なんじゃ？」
　　　
　　　ふたばじいが、2人の兵隊に尋問されていることに気づき、
　　　コトは大急ぎで大きな木から降りながら
　　　兵隊に聞こえないように小竜に伝えます
　　　
　　　「小竜、小竜、
　　　　決して彼らに姿を見せないでね
　　　　それから、これ、ばあばへのおみやげ
　　　　大事に持っていてね」
　　　　
　　　そう言うと
　　　コトはあっという間に木の下に
　　　降りてしまいました
　　　
　　　「くーーーん......」
　　　
　　　　　◇　　◇　　◇

みなさまこんにちは。
7月29日のトコトコイラスト、やく一週間ぶりの更新です。

コトと小竜は大きな木の上に登っているため
イラストからはみ出してしまい
兵隊たちにも見えないのですが
皆様にもご覧いただくことができませんでした.....。
ごめんなさい・・・。

さてさて、兵隊さんの登場です。

ふたばじいは意外と寝起きは良いようですねぇ。
うらやましい・・・・・
じつは作者のわたし　にしもりちよこはものすごく寝起きが悪いのです。
こんな風に理不尽に起こされたらも〜〜大変です(^-^;
でも、きっと、「うるさい」とだけ言って、事態も掌握しないまま
すぐまた寝てしまうと思います.......(^▽^;

というわけで飛び降りてきたコトとじいじと兵隊さん・・・・
お話しは、これからゆっくり続きます。
また、是非いらしてください(^^)
●

※なお、「双葉」のお話を最初からご覧になりたい場合や、
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　　　　　・　　・　　・

「双葉 第13章-その1-」＜三叉路＞

7/22のトコトコイラスト「双葉　第3章-その1-」です。

この絵は一部分のトリミングです。イラストの全体は
artWorks＞Tokotokoillustration-01（2006.02.01〜）>>>>
のページでご覧いただけます。

　　　　　◇　　◇　　◇

「双葉　第13章-その1-」

　　　
　　　コトの村へ向かう途中の
　　　少年コト　と　ふたばじい　と　小竜
　　　
　　　山肌に添って歩いていたら
　　　見晴らしの良い三叉路に出ました
　　　三叉路からは大きな街が見えました
　　　
　　　「あそこにはね　コトの　ちちと　ははがいるの」
　　　
　　　「おおおおお、　おう　そうか　そうか！
　　　　たのしそうなところじゃのう
　　　　ところで、なんじゃ、あれが村か？　村っちゅうと　もっとこう・・・
　　　　ちいさな集落かとおもってしまうのじゃが.....　よいわよいわ
　　　　さて　いくぞ!!」
　　　　
　　　「あっ　じいじ　
　　　　ちがうの　あのね
　　　　こっちなの」
　　　　
　　　「ななな、なに？」
　　　
　　　「コトの村はあそこじゃないの
　　　　コトの村はね　こっちなの....」
　　　
　　　小竜は、すっかり自分の庭先に帰ってきた気分になって
　　　どんどんと　先に行っておりましたが、
　　　2人が立ち止まっているところまで　もどってきて
　　　ふわふわ飛んで待っているのでありました
　　　
　　　　　◇　　◇　　◇

7月22日のトコトコイラストです。

みなさんこんにちは。
おなじみの方にはおなじみの、
ご存じない方にはお初です、の、　
ふたばじいの物語、第3章がはじまりました。

第3章の舞台は［コトの村がある島］......
では長くて言いづらいので、略して［コトの島］ということにして・・・・
.........第3章の舞台は［コトの島］です(^^)。

コトの島にあるという『あらぬの実』のところに
『あらまほしの実』の実を持ってたずねる旅をしているふたばじい。
その　ふたばじいの案内人も兼ねながら、帰郷途中のコトと小竜。

・・・・・・うーん、確かにそうなのですが、
これでは何のことだか、ちょっとわかりにくいですね.....

ちょうどいいので、ここで第一章と第二章のあらすじを書いておきましょう。
では、あらすじです(^^)　どうぞ〜〜

　　　『あらまほしの実』という不思議な植物は
　　　聞こえた「ことば」を実現してしまう
　　　魔法の植物....
　　　
　　　『あらまほしの実』のすぐそばで
　　　自分が望んでもいない未来を　その場しのぎに　
　　　たくさん　たくさん　やくそくしてしまった　ふたばじい.....
　　　
　　　そして、「未来の実現」が始まろうとしたそのときに
　　　「未来の実現」の止め方を知っているという
　　　少年コトと出会います
　　　
　　　今は中断している「未来の実現」ですが
　　　またいつ発動するかわかりません
　　　
　　　「未来の実現」を止めるため
　　　『あらぬの実』のもとへ急ぐ一行を待ち受けるのは・・・・
　　　
　　　盛り上がりますよの第3章に
　　　乞うご期待(^^)/

というわけでお話しは、これからゆっくり続きます。
また、是非いらしてください(^^)
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