イラストレーターにしもりちよこ の ど-も-のブログ

「双葉 第3章-その15-」<ふたばじいの話>

10/29のトコトコイラスト「双葉　第3章-その15-」です。

この絵は一部分のトリミングです。全体は
artWorks＞Tokotokoillustration-01（2006.02.01〜）>>>>
のページでご覧いただけます。

　　　　　◇　　◇　　◇

「双葉　第3章-その15-」

　　　コトのむすめが
　　　みはらしのよい丘に
　　　やってきました
　　　
　　　丘に上のおおきなふたばに向かって言いました
　　　
　　　「ふたばじい　おはよう
　　　　今日は　おもてに出てくる日？」
　　　
　　　「いいいい、いやいや、
　　　　まだじゃ　まだじゃ　まだまだ　じゃ
　　　　わしはこの時が無いとどうもいかん
　　　　まだまだしばらく　このままじゃ」
　　　
　　　むすめは、そうか、と理解して
　　　
　　　「じいじが休息してるあいだは
　　　　わたし　じいじとたくさんお話しできてうれしいわ
　　　　今日もまた父上とのお話しをきかせてくれる？」
　　　
　　　と言いました
　　　
　　　「わしとコトが活躍した話しなら　
　　　　いいいい、いくらでもあるんじゃ
　　　　どの話をするか迷うわい・・・
　　　　
　　　　ふむ・・・
　　　　そうじゃ、そうじゃ
　　　　あの時も、今のように土にもぐっておったんじゃった
　　　　い、一匹のしょぼいねこがやってきてな・・・・・・」
　　　
　　　ちょっぴり脚色入りの
　　　ふたばじいの　たのしげな声が
　　　山に谷に流れます
　　　
　　　空には竜の山から下りてきた
　　　2匹の竜が
　　　きもちよさそうに飛んでいました

　　　
　　　　　◇　　◇　　◇

10月29日のトコトコイラスト「双葉　第3章-その15-」です。

『ふたばじいとあらまほしの実』の『最終話』です。
ふたばじいは、そのままずーーーっとコトの村に住みついて、
コトの娘のお気に入りのようです。

それにしても、ふたばじいに昔話なんて出来るのでしょうか・・・・
ちゃんと気まぐれにならずに話せているのか・・・
ちょっとそばで聞き耳を立ててみたい気がいたします(^-^;

『ふたばじいとあらまほしの実』・・・
1章から3章まであわせて45話、
絵と文を見開きで印刷したって90頁超の中編物語になりました。

最後までお読み下さいましたみなさま！
折に触れて激励して下さいましたみなさま！
そおっと応援して下さいましたみなさま！
ほんとうにありがとうございました。
今年2月15日に第一話を掲載し、
8ヶ月半に渡りほぼ毎週1話で連載してきた『双葉』の物語、
おかげさまでなんとかかんとか書き終えることが出来ました。

でも、このお話し、すでにわたしの手元にはいろいろと草案が・・・・・・・(^◇^;)
別のお話はまたあらためて、いつか続編や外伝として描けるといいな、、、、
という夢ができてしまったわたくしです・・・(^-^;。

この話はみなさまのおかげで書けました。
心から感謝いたします。
ほんとうにありがとうございました!!!

またいつの日か
ふたばじいやコトの物語が描けることを夢見つつ・・・。
とりあえず、
この話はこれでおしまい☆・・・・といたします。

トコトコイラストレーションはまた描きますので
ぜひまた、あそびにいらしてくださいね(^^)
●

※なお、「双葉」のお話を最初からご覧下さる場合や、
　前のお話をもう一度読み返して下さる時は、
　これまでのお話をはじめからまとめてご覧いただけます。
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　　　　　・　　・　　・
TokoIllustrations---54枚目（2006.10.29）
Daily&TokoIllustrations 総枚数・・・466枚

「双葉 第3章-その14-」<旅の終わり>

10/22のトコトコイラスト「双葉　第3章-その14-」です。

この絵は一部分のトリミングです。全体は
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　　　　　◇　　◇　　◇

「双葉　第3章-その14-」

　　　「あああ、あんな長い旅は、もうまっぴらじゃ」　とふたばじい・・
　　　そのまま『さかさ願いの村』にいます
　　　
　　　「この村の人は、『ことば』で乱暴しないねぇ〜〜
　　　　いごこちが良いな〜〜」　と
　　　『かなえ樹の精』も、そのまま『さかさ願いの村』にいます
　　　
　　　コトは言います
　　　「『願う』のは　それが実現にむけて実を結び始める第一歩なの
　　　　『願い』や『ことば』には　ちからがあるの」
　　　
　　　そしてコトは　ふたばじいに繰り返し言います
　　　「じいじの発した『ことば』が、
　　　　実現にむけて実を結び始めると
　　　　それはだれにも止められないの・・・」
　　　
　　　「そうじゃった、うんうん、そうじゃったな」
　　　
　　　くちだけはいつもコトに素直な　ふたばじい

　　　でも、ある日のふたばじいは
　　　「わしは1万歳になっても、ますますぴんぴんしとるんじゃ」
　　　と言い、またある日には
　　　「わしは、いつ枯れるかわからんからな、いたわるんじゃぞ」
　　　と言います
　　　
　　　また、ある時のふたばじいは
　　　「わしは、もうここからまったく動かん」
　　　と言い、またある時には
　　　「わしは、いつか別の星に行くんじゃ」
　　　と言います
　　　
　　　ふたばじいは、発することばが『願い』になることを意識せずに
　　　矛盾した未来を口にします・・・
　　　
　　　「え、ふたばっちの『願い』？　ううん、ぜーんぜん
　　　　ふたばっちの『願い』なんか来ないよ
　　　　『ことば』に『愛』がないと
　　　　あたしにとどかないからね〜〜」
　　　
　　　と、『かなえ樹の精』は笑って言います

　　　
　　　　　◇　　◇　　◇

10月22日のトコトコイラスト「双葉　第3章-その14-」です。

おこしくださってありがとうございます。
次回が最終話ということで
いま、わたしがつくづく感じているのは
物語ってじつに終わりがむずかしい〜〜ということです(>_<;)

終わりよければすべてよし・・・ということは
終わりが悪ければすべて悪い・・・ってこと・・・？
えーーっと(^-^;........
次回の最終話、めいっぱい大目に見てください・・・(･_･)

さて、
今回は、絵と文章が直接連動していませんので
絵の解説をしちゃいます・・・・(^-^;。

　　　なかなかおおきくならない小竜に、
　　　何とか一緒にとばせてもらおうと画策しているふたばじい。
　　　小竜に結んだかごに乗って「いけ〜〜飛べ〜」と命じています。

　　　コトは日々の勉強がいそがしく、ふたばじいといつもいっしょにはいられません
　　　ちょうど来てくれたコトに小竜が泣きつきます。

　　　『かなえ樹の精』はおもに神殿でぐーぐー寝ていますが
　　　ときどきふらふらと、出歩きます。
　　　出歩くときには彼らと一緒にいることが多いです。
　　　
　　　今日はふらふらと出てきて、
　　　ふたばじいのすることをあきれて眺めて、
　　　くすくすと笑っています。

そんな、ワンシーンです。

次回『最終話』。
掲載は一週間後の予定です。
ぜひぜひ、またいらしてくださいね(^^)
●

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TokoIllustrations---53枚目（2006.10.22）
Daily&TokoIllustrations 総枚数・・・465枚

「双葉 第3章-その13-」＜願い＞

10/17のトコトコイラスト「双葉　第3章-その13-」です。

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　　　　　◇　　◇　　◇

「双葉　第3章-その17-」

　　　ばあばは、ふたばじいにむきなおって話します
　　　
　　　「ふたばどの。　この大任をつかさどったそなたは　
　　　　ここでなんなりと『願い』をかけることができる。
　　　　どうなされる、『かなえ樹の精』に何を願われるか。」
　　　
　　　「わわわ、わしは神にも魔にもなりたいと思わんし、
　　　　そもそも、願ったりかなったりは好かん好かん」
　　　
　　　ばあば　は、ほうっと息をはいてこう言いました
　　　
　　　「さようか。それでは、そなたと共に、大任の片翼をになったコトに、
　　　　その願い委譲なされるか？」
　　　
　　　「おおおおう、そうしてくれ、そうしてくれ」　ふたばじいは後ずさりしながら言いました
　　　
　　　解毒の薬が効いたコトが、近衛のじいじに持ち上げられて
　　　しずかに『かなえ樹の精』の前にひざまずきました
　　　
　　　「おうっ　コトリン、ひと思いにばっさりやってくんな！！」
　　　と『かなえ樹の精』
　　　
　　　「うん・・・じゃあいくよ」と、コト
　　　　『われはねがう　かなえぐさの精に　生あるかぎり
　　　　　あいなきねがいが　とどかぬことを』　
　　　
　　　しずかにコトが『願い』をかけると・・・・
　　　ごくん、と『かなえ樹の精』が何かを飲みました
　　　
　　　「うへ、なんか、どでかい『願い』だったみたいだな〜」
　　　『かなえ樹の精』は笑顔で言いました
　　　
　　　　　◇　　◇　　◇

10月17日のトコトコイラスト「双葉　第3章-その13-」です。

こんにちは。
ふたば第三章の13話、ようやく、ようやく、アップに漕ぎつけることができましたっっっっ。
徹夜徹夜で、もーねー、先週・今週はよく絵を描いたんです。
わたしが一人しかいないため、わたしが忙しくしていると、
なかなかふたばのイラストが描き進められず、
今週は火曜日アップになってしまいました(T_T)
なんども見にいらして下さったあなた!!
ほんとにほんとにほんとにありがとうございました、
なかなかアップができなくて、ごめんなさい☆

さて、お話しはコトの願かけに入りました。
ふたばじい、さっさと辞退しちゃったりして
こう見えて気が小さいんです〜〜

いや、同じ状況におかれたら、
わたしも辞退するかもしれません......。

それにくらべて、「うん」とか言いつつ、どんどん『願い』をかけちゃうコトは実に大物です。
みかけによらず、やっぱり皇子です。

さて、『かなえ樹の精』に『願い』をかけたところで
このあとの展開は・・・・

お話しは、残すところあと、いよいよ『2話』です。
また、いらしてくださいね(^^)
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「双葉 第3章-その12-」＜自由・解放＞

10/07のトコトコイラスト「双葉　第3章-その12-」です。

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　　　　　◇　　◇　　◇

「双葉　第3章-その12-」

　　　『あらぬの実』と『あらまほしの実』が合体してあらわれたのは『かなえ樹の精』
　　　
　　　いきおいよく　まくしたてられて、ふたばじいは混乱しました
　　　
　　　「なんでコトが、なんでおまえが、なんでわしが、、、、
　　　　あ〜〜〜〜わからんっっっっっ
　　　　わしの未来はどうなったのじゃ！？」
　　　
　　　「あ？　あんたの『あらまほしの実』のタネならとっくに消えてるよ？
　　　　この『かなえ』さまがもとにもどったところで　あんたの消したい未来は
　　　　消えることになってたの。よかったねぇ〜ふたばっち。あんたはもう自由だよ〜
　　　　さっ、んじゃ、あたしもこれでフリーってことで
　　　　ひさしぶりの自由をたんのうするとしようっと〜〜　じゃあねぇ〜〜」
　　　
　　　立ち去ろうとする『かなえ樹の精』のうしろから
　　　ばあばが低い声で呼び止めました
　　　
　　　「待たれよ」と、ばあば
　　　その声にたいへん驚いたようすで『かなえ樹の精』は　かたまりました
　　　
　　　「我が先祖のかけた『さかさ願い』の全容を、よもや、お忘れではなかろうな
　　　　このまま立ち去られては『さかさ願い』は完結せず・・・・それでよろしいのか？
　　　　またふたつの実に戻りたいわけではなかろう・・・？」
　　　　
　　　「なななな、なんだよ！　こ、こえぇばあさんだなぁっっ
　　　　おおお、おどかすなよ！　わわわ、わすれてただけだよ！
　　　　ちぇっ　むかしの『さかさ願い』のことまでよく知ってんなぁ〜〜・・・
　　　　んじゃ、ふたばっちぃでもコトリンでもいいから　さっさと『願い』かけろよ！　
　　　　たのむから、またあたしを二つにわけるのだけはやめてくれよな！　」
　　　
　　　そう言うと『かなえ樹の精』は覚悟したように、勢いよくその場にすわりこみました
　　　
　　　　　◇　　◇　　◇

10月07日のトコトコイラスト「双葉　第3章-その12-」です。

『かなえ樹の精』が2つの実に分けられて自由を失ってしまったのが、
自分に対してかけられた『願い』だったから、『かなえ樹の精』はちょっびり『願い』恐怖症、、、
トラウマになってしまっているようです(^-^;

逃げるように立ち去ろうとした『かなえ樹の精』は、
ばあばにはこんな風に言われたんです。
「むかし、先祖があんたの魔法を解いてあげるために、『さかさ願い』をかけてあげたときに、
　なんと言ったのか、、、その全文を忘れたわけじゃあないだろうな。
　まだやることがあるんじゃなかったか？　
　あんたの魔法を解いてあげた人の願いを聞いてあげるんじゃなかったんだっけ？
　そのまま立ち去るたあどういう了見だい？　『さかさ願い』が完結しないとどうなるか・・・
　アタシャア知らないよ」
と、、、まあ、意味としてはこんなことを言われたのです。こわいですねぇ・・・おどしです。

いっぽう、ふたばっちは、
かつて無防備に口からでまかせで言ってしまった『未来の実現』の恐怖から
いよいよ解放されました。
自分のすがたを壁に写して確認しています。

とりあえず、ふたばじいが自由になって、めでたしめでたし(^^)
・・・とは言っても、、、、ふたばじいの場合、何かから解放されても、
いくらでもまた新たな問題のタネをつくっちゃいそうなので
心配はつきませんけれどね・・・・・

さて、『かなえ樹の精』が『願い』をかけられることを覚悟して座り込みました。
このあとの展開は・・・・

お話しは、残すところあと、いよいよ『3話』です。
また、いらしてくださいね(^^)
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「双葉 第3章-その11-」＜かなえ＞

10/02のトコトコイラスト「双葉　第3章-その11-」です。

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　　　　　◇　　◇　　◇

「双葉　第3章-その11-」

　　　ふたつの実を　ちかづけたとたん　あらわれたのは妖精でした
　　　
　　　「よっサンキュッ　たすかったぜぃ」と、その妖精は言いました
　　　　
　　　「ななな、なんじゃ、おまえは」と、ふたばじい
　　　
　　　「あたしは『かなえ』。『かなえ樹の精』さ。ふたばっちとおんなじ樹の精よ」
　　　
　　　「ふ、ふ、ふ、ふ、ふたばっちじゃと〜〜！！？？
　　　　なななな、なれなれしく呼ぶなっ！！！
　　　　あ、あ、『あらぬの実』と『あらまほしの実』はどこに消えたのじゃ？？
　　　　く、食ったのか？？」
　　　　
　　　「あっははは〜〜　食わねえよ！！　ありゃあたしだよ」と、かなえ
　　　
　　　「な、な、なにがどうなってる？　どうしておまえが『あらぬの実』と『あらまほしの実』で
　　　　どうして今おまえがあらわれたのじゃ？？せ、せ、説明せい！！」と、ふたばじい
　　　　
　　　「え〜〜話すの〜〜？？
　　　　話せばながいんだよぉ・・・めんどくせぇなぁ・・・
　　　　んじゃいいか？　はしょって話すから良く聞けよ。一回しか言わないぜ」と、かなえ
　　　　
　　　「あたしには人の『願い』ってのが栄養で、あたしに『願い』をくわせりゃなんでもかなっちゃ
　　　　うのよ！　すごいだろ？　え？　すごいだろってば！
　　　　ま、あたしはすごいんだけど、願う方が、めちゃくちゃなのよ。で、そのとばっちりくっち
　　　　まってさ、まあ、手違いでもあったんだけど、あたしは『あらぬの実』と『あらまほしの実』
　　　　にわけられちゃって、もとにもどれなくなっちゃったのよ。ところが、親切な、ていうかあた
　　　　しにいわせりゃケチなんだけどさ、コトリン（註：コト）のずーっとずーっとご先祖が、
　　　　『さかさ願い』をかけてくれたのさ。いつか、ふたばっちぃみたいな間の抜けたヤツが、あた
　　　　しをもとにもどしてくれるってさ。で、そのとおり、あたしはめでたくこうして元にもどれ
　　　　たってわけ。わかった？　だから感謝してるぜ!!　あんがとよっ!!!　ふたばっちぃ」
　　　　
　　　「ふふふ、ふたばっち、ふたばっちと言うな！」
　　　
　　　話はほとんど理解できず、そのうえ名前を軽く呼ばれて
　　　ぶんぷんの　ふたばじい　でした
　　　
　　　　　◇　　◇　　◇

10月02日のトコトコイラスト「双葉　第3章-その11-」です。

お待たせいたしました、
あらわれたのは『かなえ樹の精』という妖精でございました(^^)
『かなえ樹の精』、呼び名は『かなえ』です。
『かなえ』ちゃんが、みなさまにご挨拶するそうです。

「はあ〜〜も〜〜
　やっとだぜぃ！！　ながくてながくて、まちくたびれたぜぃ！
　連中の旅はおそいわ、描くのもおそいわ、
　あたしのこと、ころす気か〜〜っっっておもったよ！
　ま、あたしが主人公だから！！
　よろしくなっ」

あんたが主人公なら、この物語は『かなえ』にしなくちゃなんないでしょうが・・・(￣_￣)
こんな娘です、みなさまよろしくお願いいたします。すみません・・・(^^;

さて、『かなえ樹の精』があらわれて、このあとの展開は・・・？
ふたばじいはどうなる？

お話しは、まだまだゆっくり続きます。
また、いらしてくださいね(^^)
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「双葉 第3章-その10-」＜あらぬの実＞

9/24のトコトコイラスト「双葉　第3章-その10-」です。

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　　　　　◇　　◇　　◇

「双葉　第3章-その10-」

　　　ふたばじいと、近衛のじいじに抱かれた少年コトと　ばあば　それに小竜は
　　　神殿の奥へ奥へと　すすみます
　　　
　　　「コココ、コトや　ばあさんは　わしが来ることを知っておったようなのじゃが...
　　　　コトは、わしに逢うことを知っておったのか・・・？」と、ふたばじい
　　　　
　　　「え？　ううん、コトはしらない　
　　　　ばあば？　じいじが来るって知っていたの？」と、コト
　　　　
　　　「わが村の伝承により・・・　しかし、『このとき』との確信はなく・・・」と、ばあば
　　　
　　　「なんなのじゃ？　その『伝承』というのは？」と、ふたばじい
　　　
　　　「いずれ、わかりましょうぞ・・・」と、ばあば
　　　
　　　「なな、な〜んじゃ、もったいぶりおって・・・・ぶつぶつ・・・」と、ふたばじい
　　　
　　　やがて　一行は　明るく照らし出された『あらぬ草の間』に出ました
　　　太陽の光が『あらぬの実』を　ほぼ真上から照らし出したとき
　　　『あらぬの実』は「ぱあん」と音を立てて　はじき飛びました
　　　はじけた無数のちいさなタネのほとんどは　神殿の外へと飛び出していきましたが
　　　コト　と　ばあば　にもいくつかのタネがつきました
　　　しばらくの間　ふくらみながら「実現」を始め、やがて吸収されて消えました
　　　
　　　しばらくして　ばあばが言いました
　　　「ふたばどの、あちらに一つ残った『あらぬの実』の傍らに
　　　　ふたばどのが　たずさえておられる『あらまほしの実』をおいてくだされ」
　　　「こ・・・こうか？」
　　　ふたばじいが『あらまほしの実』を『あらぬの実』のそばにちかづけたとたん・・・・・
　　　ふたつの実はつよいちからで互いに近づき、勢いよく合体しました
　　　
　　　「うわぁぁぁぁぁ、なななな、なんじゃ　なんじゃっっ!!!!!」
　　　
　　　するどい光があたりを照らし　
　　　次の瞬間、ふたばじいの目の前にあらわれたのは・・・・
　　　
　　　
　　　　　◇　　◇　　◇

9月24日のトコトコイラスト「双葉　第3章-その10-」です。

いよいよ『あらぬの実』がはじけました(^^;
この物語の前半に『あらまほしの実』がはじけたときには
枚数の都合ではじけた時の絵が描けなかったので
こんどこそは、とはじけた絵を描きました(^^)

でも、そうすると
ふたつの実が近づいて合体し
とーーーってもおどろいているふたばじいの絵・・・の方は
描けなくなってしまいまして、ちょっと残念なわたしです。

さて、ふたばじいの目の前に
何かが現れた、というところで
次回をお待ち下さいませ　(^^;

お話しは、まだまだゆっくり続きます。
また、是非いらしてくださいね(^^)
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「双葉 第3章-その9-」＜手負いのコト＞

9/18のトコトコイラスト「双葉　第3章-その9-」です。

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　　　　　◇　　◇　　◇

「双葉　第3章-その9-」

　　　
　　　『さだめの旅』を終えて、コトが戻ったと巫女に教えられ
　　　ふたばじいは　あわてて神殿にもどります
　　　神殿前には、手負いのコトと　泣いている小竜・・・
　　　
　　　「いいい、いったいなにがあったのじゃ」
　　　ふたばじいの問いかけに　近衛のじいじがこたえます
　　　
　　　「ご承知の通り『あらぬの実』をねらって賊が侵入しておりました
　　　　この村の入り口の少し手前で　賊をとらえましたのじゃ
　　　　わしら近衛隊と合流されたコト皇子と、いつも村を守ってくれている竜たちが共に戦い、
　　　　いくさはすぐに我が隊の勝利・・・しかし・・・・・、
　　　　隠れていた残党の矢が　小竜をねらい　それに気付かれたコト皇子が　
　　　　小竜を守られ　皇子ご自身が毒矢に・・・
　　　
　　　　『さだめの旅』はどうしてもお一人で村まで戻らなければならぬ、、、とおおせになるので
　　　　お手を取らない約束の上、わしがお供をして参ったのです・・・
　　　　そしてここへ到着されたとたんに　たおれられ　ご覧の通り　急しつらえで治療中です」
　　　
　　　「じいじ・・・・　神殿の一番奥に『あらぬ草』があるの・・・　すぐに行こう・・・・」
　　　
　　　「いいい、いや、なななな、なにをいうておる・・・なにもそんなに急がんでも・・」
　　　
　　　コトの心の声：《ううん・・・時間がないの
　　　　毎年、9の月の新月の日に『あらぬの実』がはじけるの・・・
　　　　今日がその日　もう一刻の猶予もないの・・・》
　　　
　　　「お供の許されなかった『さだめの旅』は、もう無事に終えられたのじゃ。
　　　　ここからはご一緒しますぞ、お一人では行かせませんですからな」
　　　と、近衛のじいじが共を申し出ます
　　　
　　　「これも　また　さだめかの・・・」
　　　目を閉じて　ばあばが　しずかにつぶやきました・・・
　　　
　　　　　◇　　◇　　◇

9月18日のトコトコイラスト「双葉　第3章-その9-」です。

最初にアップした日には「ここは大事な場面だと思うと
　文章を簡略にできなかったのですよね〜〜」と書いていましたが
落ち着いて読み直しながら大幅にカットいたしました(^^;

イラストの方も、普通サイズの絵と、アップにしたものと2枚載せました。
なんせ、ずーーっとマスクをかぶっていたコトが
はじめて素顔を見せてくれた記念すべきシーンですからねっ(^^)

お話しは、まだまだゆっくり続きます。
また、是非いらしてくださいね(^^)
●

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「双葉 第3章-その8-」＜もの思うふたばじい＞

9/10のトコトコイラスト「双葉　第3章-その8-」です。

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　　　　　◇　　◇　　◇

「双葉　第3章-その8-」

　　　虫が鳴く、空気の冷たい夜半になっても
　　　一人　腰を下ろして、ふたばじいはかんがえます
　　　
　　　《この村の人々は　皆が皆「心の声」で会話をするちからを持っておるようじゃ
　　　　そして、この村の人々は　未来のことを決して口にせん・・・・
　　　
　　　　この村の人々は　ちゃんと声に出し、言葉で会話をしとる
　　　　よほどの時しか「心の声で会話」をせんようじゃ
　　　
　　　　この村の人々は『あらぬの実』を守る鎮守の民（ちんじゅのたみ）
　　　　何世代にも渡ってこれらの実のことを密かに言い伝え
　　　　守ってきたという民じゃそうじゃ
　　　　『あらまほしの実』のことも『あらぬの実』のこともよく知っておる
　　　
　　　　それなのに　どうして　
　　　　これから　わしが持つことになるという　
　　　　なにやらすごい力を　自分たちのために使おうとせんかったのじゃ？
　　　
　　　　わしにそれを教えたのは、少年・・・コト
　　　　もし、わしではなくて、コトが『あらまほしの実』をとっておれば
　　　　コトがそのなにやらすごい力を持てた　ということじゃないのか？
　　　
　　　　そんなもの持つとろくなことがないのじゃろうか？
　　　
　　　　なぜじゃ？　なぜじゃ？　なぜじゃ？
　　　　う〜〜・・・わからんっわからんっ・・・・・》
　　　
　　　ふたぱじいは
　　　ひとり、もんもんと問い続けました
　　　
　　　　　◇　　◇　　◇

9月10日のトコトコイラスト「双葉　第3章-その8-」です。

ものおもう、ふたばじいです(*^_^*)

ふたばじいはもんもんとしていますが
コトの村《さかさ願いの村》は
空気のきれいなとても気持ちの良いところです。
虫の声がいっぱいいっぱい聞こえています。
そう、ちょうどいまの日本のように・・・。

お話しは、まだまだゆっくり続きます。
また、是非いらしてくださいね(^^)
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「双葉 第3章-その7-」＜伝承＞

9/4のトコトコイラスト「双葉　第3章-その7-」です。

この絵は一部分のトリミングです。全体は
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　　　　　◇　　◇　　◇

「双葉　第3章-その7-」

　　　青ひげは、村の中心にある神殿の前にふたばじいをおろして
　　　飛び去ってしまいました
　　　
　　　「おお、おおい、おおい、青ひげ〜〜
　　　　コトがくるまで一緒にいてくれや〜〜」
　　　知らない土地でひとり・・・　こころぼそい　ふだばじい　
　　　
　　　神殿から出てきた　人々は
　　　「『さかさ願いの村』へようこそ」と、ふたばじいを丁重に迎えます
　　　
　　　「わたしはコトの祖母です　あなたが、わが孫　コトに導かれ
　　　　わが村へおみえになること　わが村の伝承どおり・・・
　　　　お待ち申し上げておりました」と、コトのばあばが言いました
　　　
　　　ふたばじいは　驚いてききました
　　　「わわわ、　わしのことを知っておるのか？
　　　　それでは聞くぞ　わしはこれから何をすればよいのじゃ？」
　　　
　　　「ここで未来のことを言葉にすると　『あらぬの実』に届きます
　　　　届けば未来は、言葉にしたものと　さかさまになってしまいます・・・
　　　　それゆえ　心の声で語りますので　お心でお聞き下され」
　　　
　　　ばあばの心の声：
　　　《わが村の言い伝えでは・・
　　　　　　『あらまほしの実』と共に　樹精北方より来たり
　　　　　　『あらぬの実』を納めし精は『神魔』となる
　　　　つまり・・・
　　　　　　『あらまほしの実』をたずさえて　北方から来たる樹木の精は
　　　　　　『あらぬの実』の元へ行き　『あらぬの実』も手に入れることもできる
　　　　　　二つの実を手中に収めれば　神にも悪魔にもなれる》
　　　
　　　ふたばじい：「な・・・ななな・・・なんじゃ？」
　　　ふたばじいはおどろいて　絶句してしまいました
　　　
　　　　　◇　　◇　　◇

9月4日のトコトコイラスト「双葉　第3章-その7-」です。

ふたばじい、長い旅を終えて
やっとコトの村に到着しました(*^_^*)

ところが、ばあばに会ったら、いきなり　オドロキ発言。
さすがのふたばじいもビックリです。

このふたばじいに　そんな超人的な力を
あずけない方が良いんじゃないか....と思うんですけれども・・・(^^;

ふたばじいは神になるのか悪魔になるのか
どんな試練が待っているのでしょうか・・・？

お話しは、まだまだゆっくり続きます。
また、是非いらしてくださいね(^^)
●

※なお、「双葉」のお話を最初からご覧下さる場合や、
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　　　　　・　　・　　・

「双葉 第3章-その6-」＜青ひげ＞

8/27のトコトコイラスト「双葉　第3章-その6-」です。

この絵は一部分のトリミングです。全体は
artWorks＞Tokotokoillustration-01（2006.02.01〜）>>>>
のページでご覧いただけます。

　　　　　◇　　◇　　◇

「双葉　第3章-その6-」

　　　ふたばじいの悲鳴を聞いて　かけつけたコトと小竜
　　　
　　　「どうしたの？？　じいじ！！　だいじょうぶ？？」
　　　
　　　コトと小竜、そしておおきな竜は　ほぼ同時にさけびました
　　　
　　　「青ひげ！！」（コトの声）
　　　「マ〜スター！」（大きな竜の声）
　　　「ケーーーーン」（小竜の声）
　　　
　　　コトから「青ひげ」と呼ばれた、　その大きな竜は、うれしそうに話しかけました

　　　「マ〜スター、い〜つお帰りになったんですかぁ〜
　　　　小竜も〜げんきそうだなぁ
　　　　マ〜スターを無事にお守りしたのか〜、よくやったなぁ〜」
　　　
　　　みんなが顔見知りだとわかると、ふたばじいはすっかりむくれて言いました

　　　「なななな、なんじゃ、なんじゃ　こやつ、コトの知り合いか
　　　　おおおお、おい、コト、言ってやれ！！　こここ、こやつに言ってやれ！！
　　　　おまえの　たいせつな　客人の　わしを　食おうと　するとは　けしからん！！
　　　　！！！！！！と、言ってやれ！！」
　　　
　　　「うん　あのね、青ひげ。
　　　　じいじはね　コトのたいせつなお客様なの　『あらまほしの実』を持ってきたの」
　　　
　　　「うぉぉぉぉぉぉ　マ〜スター、わっし　今あやうく食〜うところでした
　　　　おじいさ〜ん、すまなかったなぁ〜」
　　　
　　　「ふふふん、だから　いったじゃろうて　けしからんっ　まったく　けしからんっ」
　　　　
　　　「う〜ん、ほんとうにそうだなあ〜、　おじいさ〜ん、すまなかったなぁ〜、
　　　　マ〜スター、お送りしますよ〜　わっしの背に乗ってくださいよ〜」
　　　
　　　「ありがとう、青ひげ　でも、こたびの　この旅に力添えは　かなわない・・・
　　　　コトは自力で旅を終えなければいけないの・・・
　　　　そうだ、青ひげ　　じいじを　村まで送ってくれる？」
　　　
　　　「いいですよぉ〜　おじいさ〜ん　どうぞぉ〜乗ってくださ〜い」
　　　
　　　「うほっ　うほほっ　こここ、こりゃあ楽じゃ　らくじゃのお」
　　　
　　　「じいじ、村で待っていてね・・・ばあばに　会ったら　そのおみやげを　渡してね
　　　　それと、村では　決して　未来のことや　願い事を　口にしないでね」
　　　
　　　「おおお、おうっ　まっとるぞ！！」
　　　
　　　風のように速い　竜の背中で
　　　たいそう　ごきげんの　ふたばじいでした
　　　
　　　　　◇　　◇　　◇

8月27日のトコトコイラスト「双葉　第3章-その6-」です。

おおかたの予想を裏切らずに
大きな竜は、コトの知り合いでした、はい。

名前もありました。
青ひげです。
ひげが青い.......と言うより
全身が青いですね.........。
ひげが立派な青い竜と言うことでしょう、はい、たぶん・・・。

いよいよ、じいじ空を飛ぶ・・・・です。
青ひげの飛翔は、かなり速いようですので
じいじにはくれぐれも
しっかりつかまっていてほしいです・・・(^^;

お話しは、まだまだゆっくり続きます。
また、是非いらしてくださいね(^^)
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